「やりたいこと」をやってみる HINT

「やりたいこと」をやってみる

「やりたいこと」をやってみる

あなたは今、心から熱中できることに取り組めていますか?

エグゼクティブ・コーチとして多くの経営者と関わってきた私たちが確信していることがあります。それは、人は自分が本当にやりたいことに打ち込んでいるときこそ、最大のパワーを発揮するということです。

ある温厚な経営者Sさんとの出会いが、この信念をさらに強めてくれました。 Sさんは急成長中のスタートアップの経営者です。Sさんは常に周囲の意見に耳を傾け、丁寧に合意形成を図るリーダーでした。 しかし、あるコーチングセッションでSさんの口から意外な言葉が飛び出したのです。 「最近、気付いたことがあるのです。」 その言葉に続いたのは、社員に厳しい経営をすることで知られるある外国企業への熱い思いでした。彼の目は輝き、声にはpassionが溢れていました。その外国企業の経営スタイルは、Sさんのこれまでの経営スタイルとは全く異なるものでしたが、「この会社について知れば知るほど、自分がやりたいことはこれだと確信したのです。」と彼は力強く語ったのです。

その後のSさんの変化は驚くべきものでした。自ら新しいビジョン、ミッション、バリューを作成し、経営陣で議論。その後は社内チームを結成し、言語化とビジュアル化を迅速に推進。そして自ら全社員に向けて新しい方向性を発表しました。 Sさんの姿勢からは、「誰かに任せるのではなく、自分の手でこれを成し遂げる」という強い意志が伝わってきました。まるで、長年眠っていた情熱のエンジンに火がついたかのようでした。

失敗を恐れず、やりたいことに挑戦する

多くの人は「自分は何をするべきか?」「正しいやり方は何か?」と自問自答します。しかし、真に重要な問いは「自分は何をやりたいのか?」ではないでしょうか。

このSさんも、長年「経営者はこうあるべき」というセオリーに縛られていました。しかし、本当にやりたいことに出会った瞬間、彼の中に眠っていた情熱が爆発的に解放されたのです。 実は、経営者はやりたいことをやって良いのです。もしそれでうまくいかなければ、経営を他の人に譲ればよいのです。この考え方は、一見リスクが高いように思えるかもしれません。しかし、やりたいことに全力を注ぐことで、経営者は最大のパフォーマンスを発揮できるのです。そして、たとえ失敗したとしても、それは新たな学びとなり、さらなる成長のきっかけとなるのです。

「やりたいこと」があなたの原動力となる

エグゼクティブ・コーチングでは、クライアントの原動力を見つけ出すことを非常に重視しています。 「あなたが本当にやりたいことは何ですか?」、「今週はどれくらいやりたいことに時間を割けましたか?」、「今、やりたいことは何パーセントできていますか?」

「やりたいこと」は、まさに経営者を駆り立てるガソリンのようなものです。それは必ずしも経営セオリーとして「正しい」とされることではないかもしれません。しかし、自分の内なる情熱に正直になることで、人は大きな力を発揮します。 興味深いことに、「正しさ」にとらわれるよりも、少し尖った「やりたいこと」を持っている経営者のほうが、事業を成功に導いているように感じます。

あなたの心を躍らせる「やりたいこと」は何ですか?